1杯目 貧乏人の財テク

 そのアイデアはある国の安ホテルのベッドにひっくり返ってボーッとしていた時突如閃いた、素晴らしい、なんていいアイデアなんだ、今日はもう銀行も閉まっているから明日実行だ、それを実行した場合何か問題点があるかその夜じっくり考えてみた、ない、これが頭脳明晰な私の出した答えだった。

 先に進む前に当時の状況を説明しておかなければならないだろう。

 まずパスポートだが今のように五年、十年というのはなく一回限り(出国して帰国するまで有効というやつで帰らなければ一生有効)だった。
 渡航先も今のように制限なしではなく、行きたい国を申請してパスポートに記載してもらうようになっていた。ですから私の場合東南アジアだけのつもりだったので入国出来る国はご覧の通り。

 もしその他の国へ行く事になったら下の写真のように追記をしてもらう、とここまで書いて不思議な事に気がついた、下の写真の中におかしいなと思われる事はないだろうか?、どうしてこうなったのか私にも記憶はない、気のついた人はメールを下さい、正解者全員に素敵なプレゼントを差し上げるかも知れない。

 そして次がビザ(査証)、今日本のパスポートを持っている人は、ごく少数の国を除けば短期滞在なら不要だが当時は大概の国で必要だった。

 そこでだ、どこかの国へ行く事になったら、パスポート、渡航先の記載、ビザが必要になる、パスポートはよしとして残りの2つがやっかいで貧乏旅行者の頭痛の種となる、真中の写真でも判る通り数カ国追記してもらうのに2箇所の日本大使館に行っている、1箇所では追記してもらえなかった為だろう、大使館へ追記などしてもらう為に行くと「お金いくらも持ってないんでしょ、日本にお帰りなさい」というような事を必ずといっていいほど言われた、ビザの方はもっとうるさく出国する為の飛行機、船の切符や所持金を提示させる所もあり、ビザさえ取れれば後はいいので何人からか見せるだけの為に金を借りてビザの申請に行くというような事をしていた。

貧乏脱出大作戦

 この作戦は本当の貧乏人には出来ない、貧乏になった時効き目が出るというありがたい作戦なのだ、私はその時ある程度の小金持ちで将来貧乏になるのが決まっていたようなものだったので、即実行。

 まずT/C(トラベラーズチェック)を用意する、これだけで数日後には2倍になったT/Cがあなたの懐におさまっていることになる。

 詳細は書けない、メールでの問い合わせにも答えられない、ヒントはこのページをよ~く読み返してみよう。

 第24話 バラ色の人生 ② ||2杯目 学生証