アフガニスタンは物価の安い国だった、一日1ドルあればおつりがきた、ホテルと3食でだ。
シチューが旨かったので毎日のように食べた、ある時、作っている所を見せてくれと言ったら、こっちへこい、と店の奥に案内された、奥の調理場(?)には何人かの男が働いていて、コンクリートの床には羊が解体されている、およそ調理道具とは縁のなさそうなものばかりだ、洗面器に金ダライといったところか、その金ダライの中に解体された肉や内臓が放り込まれている、洗面器の中には調理された物が入っている、すみに石油コンロがあって、中華なべみたいなのがのっている、中を見て驚いた、毎日のように食べているシチューだ、その真中にドンと羊の頭がありこちらを見ているではないか、それにもめげずその後もシチューは食べ続けた。
カブールから西パキスタンのペシャワルまでの切符。
イラン・アフガン国境あたり、これから暑い国へ向かっているというのに毛皮のコートなど買っている、まだ阿片が効いているようだ。 |
アフガニスタンの街角で |
1972年10月 |